はじめに
ベトナムは近年、急速な経済成長を遂げており、その影響はさまざまな面で顕著に表れています。特に物価の上昇は、ビジネスマンや旅行者にとって重要な関心事となっています。本記事では、ベトナムの物価動向、交通費、外食費用、そしてビジネス関連の娯楽費用について詳しく解説します。
物価の概要
ベトナムの経済は過去数十年間で急速に発展し、大きな成長を見せています。しかし、この成長に伴い、物価も上昇しています。2024年の物価指数は前年に比べて上昇する見込みで、特に都市部での生活費は高まっています。これは経済の発展に伴う需要の増加と、国際市場の影響が主な要因です。都市部、特にハノイやホーチミンシティでは、生活費が高く、家賃や食品、交通費が地方に比べて高い傾向にあります。一方、地方では生活費が比較的低く、特に住宅費や日用品の価格が抑えられています。このため、地方での生活は経済的に余裕が持てる一方で、都市部にはより多くのビジネスチャンスが存在するというジレンマが存在します。詳細は、過去記事「2024年ベトナムの物価調査 | 食料・日用品」と「2024年ベトナムの物価調査 | ②オフィス・マンションの賃貸料金」をご覧ください。
交通費
ライドシェアサービス
ベトナムの公共交通機関は発展途上にあり、都市部でもバス・タクシー(バイク・車)が主要な移動手段となっており、日本と比較すると料金は非常に安価です。たとえば、ハノイやホーチミンシティでのバス料金は約5000ドン(約30円)。ただし、時間が読めない・英語が通じないなど初心者にはハードルが高くなる為、在住外国人を含め、多くの人が利用しているのはライドシェアサービス。ベトナムでは「Grab」や「Be」などのアプリを利用することで、簡単にバイクや車を呼ぶことができます。料金は距離や時間帯によりますが、便利で手頃な価格で利用できます。また、ベトナム巨大財閥「ビングループ」が運営するEV自動車・EVバイクのタクシーサービス「グリーン・スマート・モビリティー/GSM」も2023年4月にアプリでのサービスを開始、現在急速に普及しており、車種は全てビングループ傘下「ビンファスト」のEV車・EVバイクが使われています。料金も他と比べてさほど変わらず、気軽に利用できます。
タクシー
ライドシェアサービスが普及していますが、タクシーも街中に溢れています。個人的な感想ですが、タクシーの運転手が一番道を熟知しており、特に混雑時の渋滞の避け方などは時間の大幅な短縮になったりします。が、、ぼったくりタクシーも少なからず存在しますのでご注意ください。
都市鉄道
ハノイでは2021年11月都市鉄道が開通。現在の運行区間は約13kmの「カットリン駅~イエンギア駅」運賃は15,000VND (約92円)。まだ利用者は多くないですが、今後7路線を追加する予定で、完成すればハノイ市内をすべて電車で移動可能になるとの事。
一方のホーチミン市は「ベンタイン駅〜スイティエン駅」間で、長さは約19.7 km。現在97%が完成しており、度重なる延期を経て2024年7月に開業予定でしたが、2024年12月頃に再度延期。興味索然たる状況ですが、2024年5月頃には駅に繋がる歩道橋の工事が始まり、ほぼ完成に近づいていたり、実際に電車が試運転をしているのを目にする機会が増えたりと12月開通を目標に着々と準備は進んでいるようです。尚、計画では合計で6路線となる予定。
外食費用
ベトナムは外食文化が盛んであり、ローカルフードの価格は非常にリーズナブルです。街中には屋台や小さなレストランが多く、フォーやバインミーといった代表的なベトナム料理を100,000VND(約610円)以下で楽しむことができます。
ローカル食以外でも、ビジネスマン向けのレストランや高級レストランでは、ランチセットなどもあり、価格帯は約300,000VND〜500,000VND(約1,800円〜3000円)程度が一般的です。
現在、特にホーチミン市の日系飲食店チェーン出店数は急増傾向にあり、・丸亀製麺 (牛肉うどん96,000VND 約600円)・ すき家(牛丼45,000VND-130,000VND 約278-800円)・吉野家(牛丼73,000VND-91,000VND 約450円-560円)・CoCo壱番屋(カツカレー135,000VND 約830円)がベトナム人にも人気です。その他にも、居酒屋・焼き鳥・寿司・焼肉・うどん・ラーメンなどなど、これらのお店は多くが日本人が経営しており、ローカルと比べて割高にはなりますが、そのクオリティーとサービスで在日本人だけでなくベトナム人も含め、その他の国の人達にも大人気です。この他にも、イタリア料理、フランス料理、メキシコ料理、インド料理などなど多国籍なレストランが楽しめるのもベトナム都市部の魅力となります。
娯楽費用
ゴルフ
現在ベトナムには50ほどのゴルフ場があり、以前から韓国人・日本人ビジネスマンの利用が多いのですが、最近はベトナム人富裕層でも人気が出始め、利用料金は年々値上がりをしています。相場は平日で約2,500,000VND(約15,000円) 休日は約4,000,000VND(約25,000円)。日本よりも割高な時がありますが、会員の方がいれば割引が適用され、半額ほどになる場合があります。
ジム
ハノイやホーチミンの中心部では多くのジムを見かけます。小規模なものから設備が整っている大きいヨーロッパ系のジム、筋肉の増強に焦点をあてているところからヨガやピラティスを中心に展開している所など、多くの特徴があるのですが、ある程度設備が整っている所の月額会員費は概ね1,000,000VND〜2,000,000VND(約6,100〜12,000円)となります。
映画
主に、韓国シネコンの映画館が2社ベトナム国内都市部に展開中です。上映作品は主にハリウッド(ベトナム語字幕 *稀に英語字幕がつく場合も)、韓国映画(ベトナム語字幕)、ベトナム映画(英語字幕がつく場合も)。最近ではベトナムで大人気の「ドラえもん」「名探偵コナン」以外にも日本のアニメ映画も多く公開されるようになり、字幕はベトナム語と英語がついていました。料金については、劇場や曜日、時間帯などによって異なりますが、だいたい2D/100,000VND〜(約618円〜)、 IMAX/119,000VND〜(約730円〜)、 4DX/240,000〜(約1483円〜)など、日本と比べて破格ですが、音響などの設備クオリティは低くなります。
旅行
ベトナムにはハノイとホーチミン以外にも魅力的な観光名所がたくさんあります。ユネスコの世界自然遺産に登録されているハロン湾を筆頭に、大自然と小数民族が住むサパ・同じく世界遺産のフォンニャケバン国立公園の洞窟。古都フエ・日本のTVや雑誌だけでなく、SNSの投稿でもよく目にするようになったダナンとホイアン・ベトナム人に人気のビーチエリア ニャチャン・高級リゾートホテルが並ぶフーコック島やコンダオ島など、移動はほとんどが飛行機になるのですが、シーズン期(テト)を除いた時期で、だいたい往復4,000,000VND前後、LCCであればもっと割安です。又、タイやマレーシア・シンガポールも飛行機で1時間〜2時間と近く、気軽に旅行する事が可能です。
まとめ
2024年のベトナムは急速な経済成長を続けており、それに伴う物価の上昇が見られます。特にハノイやホーチミンシティなどの都市部では生活費が高騰しており、これには住宅費や食料品の増加が含まれます。地方では依然として生活費は抑えられていますが、都市部に比べてビジネスチャンスが少ないため、全体的な経済活動の中心は都市部に集中しています。ベトナムでの生活とビジネスを成功させるためには、これらの物価情報に注視し、適切なプランを立てることが重要です。物価の上昇に対する対策を講じながら、経済成長の恩恵を最大限に活用することで、ビジネスの成功と生活の質の向上を図ることができます。
トライベトナムは、今後もベトナムの経済ニュースやビジネス情報を取り入れた最新の情報をお伝えする事で、変化する市場環境に迅速に対応してゆきます。
*価格は全て1,000ドン=6.14円(2024年6月現在)
参考:ホーチミン市都市鉄道管理局・COMPANY CJ CGV VIETNAM